でこぼこポン!発明品展!特別座談会!  3/3








発明品の制作のプロセスについてお話をお聞きしたいです。


福田 制作サイドからお題が送られてくるところから発明品の制作は始まります。例えば、どういう音量で喋ればいいかコントロール出来ない子のための回を収録することになったら、その撮影の全体像をなんとなく想像しながら、宮澤くんとまずその回に登場する発明品が持つ機能について話しあう。


宮澤 それをラフ画にしたり、さらにアイデアを噛み砕いて、もっとこうした方が面白く伝わるんじゃないかって話しながら、クリエイティブなものにしていきます。


鳥居 クリエイティブの話しするの忘れてた!


福田 誰が見ても面白いと思ってもらえるものを作りたいってのは当然あるんです。でもそのデザインで言いたいことが本当に伝わるのかっていう、発明品が果たす機能をもとにしたビジュアルの議論は毎回大切にしていて。そういう話し合いの中で発明品のデザインが大きく変わっていくこともあります。


宮澤 それで出来上がったラフ画をもとに、発明品はアートビークルーという美術チームが作ってくれるんですが、僕にとってはそれが凄い豪華で嬉しいことなんです。


福田 発明品のデザイナーは、僕と宮澤くんの他に、北田くんと横井さんの二人にも協力してもらっていて。だから発明品の見栄えも毎回違うんですよ。


鳥居 そうだったんだ!


福田 鳥居さんは現場で初めて発明品を見るんですか?その前に見たりもします?


鳥居 リハの時にいろんな確認をしなくちゃいけないから、まだ出来上がってないのを見ることもあるよ。


福田 目の前に発明品がジャーンって現れた時ってやっぱテンション上がりますか?


鳥居 かわいーーーー!!!ってなるよ!


宮澤 いま、でこりんみたいでしたね(笑)


鳥居 “おなまえカードデル”本当はリアルな目玉が出る予定だったんですけど、却下されちゃって。でもそれをスタッフさんがくれたんです。


岩田 却下したの僕じゃないですよ。


福田 実は怖すぎて内容入ってこなくなるんじゃないかって反対したの僕です(笑)。


鳥居 貰ったその目玉は、いま部屋に飾ってます。自宅の骸骨の横に。


福田 ちなみに、今回はいつもと発明品の雰囲気が違うなとか、この発明品はあんま好きじゃないなとか、ぶっちゃけあったりします?


鳥居 はい。


福田 (笑)


岩田 鳥居さん、宮澤さんが作った発明品は結構気に入ってると思いますよ。


鳥居 いやいや全部好きですけどね!



発明品の名前はどなたが考えるんですか?


岩田 ディレクターの仲間や作家の方と一緒に考えるんですけど、たまに福田さんたちのお眼鏡に叶わないときもありますね。


福田 “お疲れ様”っていう発明品の名前を考えるときに議論が白熱しましたよね。なかなか良いのが思いつかなくて、最終的に、疲れを可視化させるっていう意味を込めて考えたダジャレが、お疲れを、オバケに取り憑かれた、“お憑かれさま”ってもので、その名前に決まったとき、皆んなで、あーー!スッキリしたーー!って(笑)


鳥居 あれも可愛かったなぁ~。あの発明品で使わなくなった“お憑かれさま”って書かれた黄色い札、リハーサルのあとにスタッフの方にいただいて、あれいま玄関に貼ってあります!


鳥居 “しゃべりタイ”も宮澤さん?


宮澤 そうですね。


岩田 “しゃべりタイ”好きですね。動きが最高だなって。喋るタイにして欲しいっていうこちらのアイデアを、福田さんと宮澤さんがどうやったら面白くできるかって考えてくれた結果、不規則に動く仕様にしてくれて、それが絶妙に面白いんですよね。動かない発明品がテンション高く喋ってもつまらないって思ったんでしょうね。お二人のそういうクリエイティブな視点に助けられてます。


福田 正直、全部の発明品を動かしたいんですけど、予算との兼ね合いがありますもんね。


鳥居 動いてないのは、予算で動いてなかったのか!


福田 その回のテーマによっては、発明品がただ話してるだけじゃ弱いっていう時もあるから、そういう時はどうにかして動かしてもらえるようにお願いしてますね。僕と宮澤くんっておもちゃに詳しいから、そういう動き的なことも含め、自分たちが持ってるおもちゃから参考にすることが結構あるのかもなって思った。


テツマルさんは 好きな発明品はありますか?


福田 自分は“じゅんわんこ”が好きかな。発明品によってアートビークルーの盛り上がりも違うんですよ。みんなそれぞれ趣味趣向があって。このデザインで作ろうって話が進んだ時に凄い前のめりになって作ってくれて、これは良いものになるだろうなって印象に残ってる。


岩田 そうだったんですね(笑)。でも確かに、“じゅんわんこ”の質感がこれまでの発明品にはない感じで凄いなとは思ってました。


鳥居 私もそれ思いました!あ! これ私が好きな“きりカエル”だ! でも布でできた足、もっとヌメっと感が欲しかったなとは思いますけどね。予算の関係…


福田 (笑)でも鳥居さん見てください。“きりカエル”の足の先って携帯スタンドで出来てるんですよ。


鳥居 わ!ほんとだ! すごーい!そして “きりカエル”の時刻がオタマジャクシだ!(きりカエルのスケッチを見て)


岩田 オタマジャクシだと時刻が分かりづらいので完成品では数字になりましたが、凄く良くできた時計ですよね。


宮澤 そうそう、発明品は日用品から作られてるんです。ゼロから作り上げるのではなく、世の中に溢れている日用品を組み合わせて完成させる。それは僕が所属しているmagmaでも実践していることです。


鳥居 ああ、あと“おトクダ”さんもよかった。あれなんかネットニュースになってましたよね? “おトクダ”さんはね、「料理下手だね」とか、何にも考えなしに誰かに言っちゃったときに訂正してくれる発明品なんだけど、「夫に聞かせてやりてぇ!」って。これ私自身も必要だなって思ったんです。この前人と喋ってるとき、「目が悪いんだよね」って言ってきた人に、「目“も”悪いんだ」みたいに言っちゃったり、「いつからモテを気にしなくなったの?」とか無意識に言っちゃったりして。指摘されたあとに、そんなこと言ったっけ?みたいなことがよくあって。そういう危ない時に助けて欲しいなって思います。




宮澤さんはご自分が担当した発明品の中でどれが好きですか?



宮澤 これとこれが好きです。一つは“おやすみしつじ”で、もう一個のこれって…名前ありましたっけ?


岩田 なかったと思います。よかったら宮澤さんに命名していただければ。


宮澤 そしたら“宮澤くん”でお願いします。


一同 (笑)


福田 眼鏡かけてるしね。




鳥居 こういうの考えるの楽しそうだなぁ。


宮澤 楽しいですよ。


鳥居 そう言えば、“おやすみしつじ”で思い出したけど、私、髭男爵の樋口くんに声やらせたいって提案したんですよ。スケジュールが合わなくてダメだったけど。


岩田 これ僕たちが盛り上がってるだけで、ちゃんと記事になりそうですか?


鳥居 大丈夫ですよ。クリエイティブなライターさんだから



(笑)最後のご質問です。先ほど、鳥居さんも発明品を考えてみたいと仰っていましたが、良ければ、いまここで鳥居さんにも発明品を考えて紙に描いてみてもらえないでしょうか?


鳥居 やりたーい!でも私めちゃ絵下手なんだよな。見られるの嫌だから喋ってて! わー! 楽しいなー!できたー!





これはどういう発明品なんですか?



鳥居 これは“おふ老婆”っていって、風呂キャンセルする子が最近は多いってよくいうじゃないですか。これ羅生門なんですけど、お風呂に入らない子を老婆が引っ張ってお風呂に入れるんです。


岩田 鳥居さん、無理やりはダメです。


鳥居 老婆が可愛かったら採用されますか?  


岩田 ダメです。














でこぼこポン!発明品展!特別座談会!

鳥居みゆき
岩田大輔(NHKエデュケーショナル)
福田哲丸(CEKAI)
宮澤謙一(magma)

聞き手 ・文章・編集
菊地佑樹

写真
中沢 功一

会場
Massif 
東京都目黒区東山3-7-11 
営業時間/カフェ8:00-16:00  バー/ディナー18:00-23:00(火~土曜)定休日/月曜  

https://massif.tokyo/  @massiftokyo








開催情報

でこぼこポン!発明品展!

会期:2024年9月28日(土) - 10月14日(月・祝) ※9/30(月)、10/7(月)はお休み。
営業時間:10:00 - 19:00
入場料:500円(3歳未満無料)